乗馬セミナー参加者のための基礎ガイド
「走り方」「モノの持ち方」「立ち方」──同じ動作でも、人によってやりやすい方法がまるで違う。そう感じたことはありませんか?
4スタンス理論は、レッシュ・マスタートレーナーの廣戸聡一(ひろと・そういち)氏が開発した身体理論です。人間の体の使い方には生まれつきの「タイプ」があり、大きく4つに分類できる、という考え方です。
「正しい姿勢」「正しいフォーム」は万人共通ではなく、自分のタイプに合った動き方がある、というのがこの理論の核心です。
この理論は、プロ野球・プロゴルフ・オリンピック強化スタッフなど、トップアスリートの指導にも活用されています。
服部 章和はっとり あきかず
こもと接骨院 院長
タイプは2つの軸の組み合わせで決まります。
A / B:重心がつま先側(A)かかかと側(B)か
1 / 2:重心が内側(1)か外側(2)か
このタイプは生まれつき決まっているもので、トレーニングで変わることはありません。
「良い・悪い」もなく、ただ「違う」だけです。
TYPE A
重心の位置
足の前側(つま先寄り)
モノの握り方
指先でつまむように握る
動きの起点
みぞおちから始動しやすい
全身の動き
伸びるように動く
日常の例
ペットボトルを指でつまんで持つ
TYPE B
重心の位置
足の後ろ側(かかと寄り)
モノの握り方
手のひら全体で包むように握る
動きの起点
首の付け根から始動しやすい
全身の動き
縮むように動く
日常の例
ペットボトルを手のひらで包んで持つ
ペンを持つとき、指先でつまむ感じがしっくりくるならAタイプ、手のひら全体でぎゅっと握る方が安定するならBタイプの可能性があります。
TYPE 1
重心の位置
体の内側(正中線寄り)
手足の基点
人差し指側がリード
足の感覚
内くるぶし側に安定感
骨盤の傾き
前傾が深め(約40度)
立ち方の傾向
内股気味に安定
TYPE 2
重心の位置
体の外側(肩幅の外寄り)
手足の基点
薬指側がリード
足の感覚
外くるぶし側に安定感
骨盤の傾き
前傾が浅め(約20度)
立ち方の傾向
がに股気味に安定
買い物袋を持つとき、人差し指に力が入る人は1タイプ、薬指にかかる人は2タイプの傾向があります。
A1 / B2
対角線で連動。右肩と左股関節のように体の対角線上で力が連動します。歩くときの腕振りが大きめになる傾向があります。
A2 / B1
同じ側で連動。右肩と右股関節のように同側で力が連動します。なんば歩きのような感覚に近い動きになります。
「軸がある」状態とは、全身がひとつにつながって動ける状態のこと。これを体幹主動(コア・インパクト)と呼びます。
4つのタイプによって、この5ポイントのどこを意識して軸を作るかが異なります。
A / B 判定
リラックスして立ったとき、足のどこに体重がかかっているかを確認します。つま先側ならAタイプ、かかと側ならBタイプの傾向があります。
A / B 判定
ペンや箸の持ち方を確認します。指先でつまむように持つ人はAタイプ、手のひらで包むように持つ人はBタイプの傾向があります。
1 / 2 判定
重い荷物を持つときどの指に力が入るかを確認します。人差し指なら1タイプ、薬指なら2タイプの傾向があります。
1 / 2 判定
片足立ちで内側と外側、どちらが安定するかを確認します。内側なら1タイプ、外側なら2タイプの傾向があります。
クロス / パラレル 判定
歩くときの腕の振り方を確認します。対角線に大きく振るならクロスタイプ、同側に小さく振るならパラレルタイプの傾向があります。
力まないこと
「やりやすさ」で判断する
1つのテストだけで決めない
過去の習慣に惑わされない
左右差がある場合がある
体調が良いときに行う
他人と比較しない
迷ったらプロに相談を
タイプに「良い」「悪い」はありません。大切なのは、自分に合った体の使い方を知ることです。
他の人のアドバイスがしっくりこなかったのは、タイプが違ったからかもしれません。
無理に「正しいフォーム」を真似てケガをしてしまったのは、自分のタイプに合わない動きだったからかもしれません。
逆に、ある日突然うまくいった動きは、たまたま自分のタイプに合っていたからかもしれません。
乗馬でも日常生活でも、自分のタイプを知り、それに合った体の使い方をすることで、より楽に、より効率的に動けるようになります。